養育費の問題を円満に解決できた人たちの共通点をまとめます。
さまざまなケースを見てきましたが、うまく養育費問題を乗り越えた方々には、いくつか共通する要素が見られました。

子どもの幸せを最優先に考えている
円満解決できた人は、常に「子どものために何がベストか」を軸に行動しています。
感情的なしこりや元配偶者への怒りがあっても、「子どもの将来のため」「子どもの権利のため」と考えることで冷静な判断ができています。
例えば、面会と養育費が絡んだ問題でも子どもの気持ちを優先し、自分の感情を二の次にした結果うまくいったケースがありました。

早め早めに行動を起こしている
問題が深刻化する前に対策を打った人は、被害を最小限に留め円満解決に持ち込めています。
養育費が滞り始めたら、すぐ相手に確認・督促し、それでもダメなら調停や強制執行など適切な手続きを踏むなど、「先手先手」を意識しています。
長期化すれば相手との関係も悪化しがちですが、早期解決なら軋轢も小さく済みます。

書面や制度を上手に活用している
円満に解決した人の多くは、公正証書や調停調書などの文書をしっかり整備していました。
養育費の取り決めを最初から公正証書にしていたり、問題発生後も調停を経て調書を作成したりしています。
これにより相手も本気にならざるを得ず、きちんと支払われるようになったケースが多いです。
また、法改正による新たな制度(情報取得手続きや財産開示)もいち早く取り入れて、諦めずに回収できた方もいます。

周囲の助けを得ている
自分一人で抱え込まず、専門家や家族、友人のサポートを得た人も円満解決しやすい傾向です。
弁護士やシングルマザー支援団体などに相談し、適切なアドバイスを受けて動いたケース、家族や上司が一緒に考えてくれて心の支えになったケースなど、人の助けを上手に借りています。
経済的にも法テラスの立替を利用したり、自治体の無料相談を活用したりと支援制度にアクセスしている点も共通しています。

コミュニケーションを諦めていない
相手がどんな人であれ、必要なコミュニケーションは取ろうとしている人が多いです。
完全に音信不通なら仕方ありませんが、連絡がつく限りは子どもの近況を知らせたり支払いを促したりと粘り強く対話しています。
中には年賀状だけは欠かさず送り続けた母親もいました。
「子どもが大きくなりました」と写真つきで送っていたところ、元夫から「大学進学おめでとう。費用少し出すよ」と連絡が来たそうです。
直接の効果はなくとも、コミュニケーションの窓を閉ざさずにいることが相手の心境変化を促すこともあります。

感情と手段を切り離している
円満に問題を解決できた人は、怒りや悲しみといった感情はしっかり消化しつつも、それを行動の判断基準にしすぎない冷静さを持っています。
例えば「腹は立つけど払わせるために法的に動こう」「悔しいけど子どもの前では悪口は言うまい」といった具合に、理性的に振る舞っています。
結果、相手もヒートアップせず、落ち着いて解決プロセスを踏めていることが多いです。

相手の立場もある程度理解している
これはケースバイケースですが、円満解決できた人の中には、相手の状況にも理解を示して落とし所を探った人もいます。
例えば「元夫もリストラで大変だったようだから、就職するまでは待った」とか「元妻もシングルで生活苦しいだろうから無理のない額から始めてもらった」などです。
その譲歩が信頼感につながり、後に支払い増額や継続へと発展した例もあります。

以上の共通点を見ると、子どもへの愛情と、柔軟で前向きな姿勢こそが円満解決のカギだと分かります。
養育費問題は感情的になりやすく、こじれると泥沼化しがちですが、成功した人たちは決して感情に飲まれず、周囲と協力しながらゴールを目指しています。
そして何より、「必ず解決するんだ」という諦めない気持ちを持ち続けています。
もちろん状況は人それぞれで、全てのケースが丸く収まるわけではありません。
それでも、先人たちの知恵と共通点は大いに参考になります。
