夜の大阪、ビルの灯りがまばたく中、アパートの一室で私はぽつんと家計簿とにらめっこしていました。
元夫からの養育費が今月も振り込まれていない…その事実に気づいた瞬間、心臓がドキッと音を立て、喉がカラカラに渇くのを感じます。
「また今月も足りない。どうしたらいいの?」とつぶやく声だけが静かな部屋に響きました。

家賃や保育料の支払いに追われる日々、大阪・阿倍野区のスーパーで値引きシールの貼られた総菜を手に取るたびに、情けなさと不安で胸がシクシク痛みました。
同じ境遇のシングルマザー友達に相談しても、「うちもよ…」とため息まじりの返事。
とはいえ、じっと泣き寝入りしているだけでは、かわいい子どものためにもなりませんよね。
あなたは今、どうすれば良いか途方に暮れていませんか?

大阪家庭裁判所への相談
離婚後、元配偶者からの支払いが滞り始めたとき、私の頭にまず浮かんだのは家庭裁判所でした。
正直、最初は「裁判所なんて大げさだし、堅苦しい…」と敬遠していたんです。
それでも、ある朝ふと鏡に映った自分のやつれた顔を見て、「このままじゃ子どもを守れない!」とハッとして決心しました。
思い切って大阪家庭裁判所(大阪市中央区)に相談に行った私の目に飛び込んできたのは、同じように資料を抱えた女性たちの姿。

受付で「養育費の件で調停を申し立てたいのですが…」と震える声で切り出すと、職員の方が親切に手続きの流れを教えてくれます。
どうやら、まずは調停を申し立て、話し合いで解決を図るのが一般的とのことでした。
私と元夫の場合、離婚時に口約束で養育費を決めただけで、公正証書も何も作っていなかったため、調停で改めて取り決めをする必要がありました。
家庭裁判所での調停は思ったほど怖いものではありませんでした。
調停委員という中立の立場の方々が間に入ってくれて、私の言い分を優しく傾聴してくれます。

「こんなことなら、もっと早く動けば良かった…」とホッと胸を撫で下ろしたのを覚えています。
もし調停でも合意できなければ審判や裁判という流れになりますが、調停段階で話し合いがまとまるケースも多いそうです。
ポイントは、離婚時に公正証書を作成しておくこと。
私は離婚時にそれを怠ったため苦労しましたが、公正証書があれば相手が約束を破った際に直ちに強制執行に移れます。
公正証書には「強制執行認諾文言」という一文を入れて作成しますが、これがあると支払いが滞ったときに相手の給与や預貯金を裁判所を通じて差し押さえることも可能なのです。
例えば毎月4万円の養育費が5年間未払いなら、4万円×12ヶ月×5年=240万円もの大金が未受領になります。
このように具体的に計算してみると、放置の怖さが実感できますよね。
家庭裁判所で法的な手続きをとることは決して大げさなことではありません。
「法律」は、あなたとお子さんの権利を守る盾。
私も最初は尻込みしましたが、一歩踏み出したことで道が開けました。

法テラス大阪への相談
調停の申し立ては効果的でしたが、「そもそも手続きの仕方がわからない」「書類の書き方で躓いた」なんてこともあるでしょう。
実際、私も家庭裁判所に行く前夜、不安で眠れずスマホを握りしめていました。
「法律のプロに相談したいけど、お金がない…」と暗い天井を見つめていたとき、頭に浮かんだのが「法テラス」です。
正式名称を日本司法支援センターといい、簡単に言えば国が設置した法的トラブル解決の総合案内所です。

法テラスにはサポートダイヤル (0570-078374) があり、平日9時〜21時・土曜9時〜17時に対応しています。
電話口で事情を伝えると、丁寧に最寄りの相談窓口を案内してくれました。
大阪には「法テラス大阪」(大阪市北区西天満 大阪弁護士会館B1F)という事務所があり、私もそこで予約を取りました。
面談当日、緊張しながら訪れると、相談員の方がまず今の状況をヒアリング。
続いて提携弁護士との30分間の無料相談が実現しました。
法テラスでは、一定の資力要件を満たせば弁護士による法律相談が原則3回まで無料になる制度があります。
例えば私の場合、当時パート勤務で手取り月収が約15万円ほど。

※ 収入や資産状況は予約時に自己申告し、確認があります。
収入要件を満たさない場合でも有料で相談自体は可能ですが、無料制度があるのは本当に助かりますよね。
実際に弁護士さんと話す中で、「このケースなら家庭裁判所での調停や強制執行を検討しましょう」と具体的なアドバイスをもらえました。
一人で抱えてモヤモヤ悩んでいた時間が嘘のように、スッと道筋が見えた瞬間でした。
「もっと早く専門家に聞いておけば…」と痛感しましたよ。
さらに法テラスには弁護士費用等の立替制度もあります。

ただし「立替え=貸付」なので、後で分割で返済する必要がある点には注意が必要です。
私も「本当に払えるかな…」と悩みましたが、弁護士さんから「養育費回収に成功したら返せばいいし、だめでも月々数千円の分割返済で大丈夫ですよ」と励まされ、一歩踏み出す決心がつきました。
結果、強制執行の手続きを依頼し未払い分の一部を取り戻すことができています。
深夜に布団の中で震えていた孤独な私に、法テラスは一筋の光を差し込んでくれました。
お金がなくても法的サポートを受けられる可能性がありますので、「弁護士なんて高そう」「どこに相談すれば?」と悩んでいる方はまず法テラスに連絡してみてください。

大阪弁護士会総合法律相談センターの相談窓口
「法律相談したいけど平日日中は仕事で時間が取れない」「もっと身近な場所で専門家に相談できないの?」――そんな苛立ちや疑問を感じたことはありませんか?
私はフルタイムで働いていたため、平日日中に動くのが難しく、この点でも悩みました。
そこで活用したのが「大阪弁護士会総合法律相談センター」です。
「大阪弁護士会」では、一般の方向けに弁護士による法律相談を行う窓口を設けています。
実は大阪弁護士会の相談センターでは法テラスの制度を利用して無料法律相談を受けることも可能なんです。
つまり、経済的に厳しい方は、法テラスと連携した無料相談枠を使える場合があります。

大阪弁護士会総合法律相談センターは、大阪市北区の大阪弁護士会館などで相談を受け付けています。
予約制で、基本30分5500円程度の有料相談ですが(無料対象の場合は費用免除)、扱う分野ごとに専門の相談枠が設けられているのが特徴です。
例えば「女性のための法律相談」「離婚・養育費に関する専門相談」などテーマ別の相談日があります。
私が利用したのは平日夜間に実施されていた女性向けの法律相談でした。
仕事帰りに駆け込んだ私を、同じ女性の弁護士さんが優しく迎えてくれたのを覚えています。
「一人でよう頑張ってはりますね」と関西弁でねぎらわれたとき、張り詰めていたものがフッと緩み涙がポロポロこぼれてしまいました。

大阪市にお住まいの方であれば、各区役所や母子・父子福祉センター(愛光会館)にて離婚・養育費に関する無料の専門相談会が定期開催されています。
これは大阪弁護士会所属の弁護士が市と連携して行っているもので、20歳未満の子どもがいる父母が対象です。
開催日は区役所ごとに異なりますが、平日午後や月1回の夜間枠などが用意されており(区役所は14時〜17時、愛光会館では第2土曜13時〜16時・第3水曜18時〜20時等)、45分以内といった時間制限はあるものの無料で弁護士にじっくり相談できます。

「無料とは思えないほど親身で、本当に助かった」と感謝していました。
予約方法は各区役所に電話で問い合わせる形になっており、「随時相談(個別に弁護士事務所での相談)」もひとり親サポーターを通じて調整可能とのこと。
大阪市以外でも、例えば堺市や東大阪市、豊中市などでも市役所主導の法律相談があるので、お住まいの自治体のホームページをぜひチェックしてみてください。
なお大阪府全域をカバーする「大阪府立母子・父子福祉センター」(大阪府母子寡婦福祉連合会)でも、月1〜2回ペースで無料の法律相談日(弁護士対応)を設けています。
こちらは電話相談も受け付けており、30分程度の面談相談か15分程度の電話相談が可能です。
予約枠には限りがあるため、希望する場合は早めに電話(06-6748-0263)で予約しておきましょう。
無料相談を上手に活用するコツは、事前に聞きたいことをメモして整理しておくことです。
「いつから支払いが滞っているのか」「離婚時の取り決め内容」「相手の現在の収入や雇用状況」など、ポイントを書き出して伝えると限られた時間を有効に使えます。
私も相談前夜にノートに質問事項を箇条書きしましたが、そのおかげで弁護士から的確な回答をもらえました。

大阪にある公的機関の相談窓口
経済的・法律的な相談と並行して、私が精神的に支えられたのが公的機関の相談窓口でした。
大阪府や各市町村には、ひとり親家庭のための総合相談窓口が用意されています。
例えば、大阪市北区にある「愛光会館(母子・父子福祉センター)」では、母子家庭の母や父子家庭の父を対象に、生活全般の悩みから就業支援、法律相談まで幅広い事業を行っています。

そこでは市のひとり親家庭支援員さんが「困ったときは何でも相談してね」と声をかけてくださり、緊張していた私も思わず笑顔に。
行政の担当者と直接つながりができたことで、「いざとなったらこの人に電話しよう」という心の拠り所ができました。
大阪市には各区役所にひとり親家庭サポーターが配置されており、養育費や子育ての相談に乗ってくれます。
実際に「元夫と話し合いができない」という友人がサポーター経由で弁護士相談につなげてもらったケースもあります。
行政の窓口は堅苦しいなんて先入観があるかもしれませんが、意外とアットホームで親身です。

大阪府内で大阪市や堺市など一部の大都市を除く地域にお住まいの場合は、「大阪府立母子・父子福祉センター」(東成区中道)を利用できます。
こちらでは電話や面談での生活相談を平日・土曜10時〜16時で受け付けており、「平日忙しくて…」という方向けに土日夜間電話相談も設けられています。
平日18時〜23時、土日祝10時〜17時および18時〜23時という幅広い時間帯に、072-923-4152の専用ダイヤルで相談可能です。
私は金曜の夜、子どもが寝静まった22時頃に思い切って電話したことがあります。
同じシングルマザーの相談員さんが対応してくださり、声を聞いた瞬間につい「毎日不安で眠れなくて…」と胸の内をポツリポツリ漏らしてしまいました。
相談員さんは終始「うんうん、それはしんどかったね」と優しく相槌を打ってくれて、電話を切る頃には心がふっと軽くなっていました。

養育費に関して法的な話になれば「それなら法テラスに問い合わせてみましょうか」と案内されることもあります。
実際、私も市役所の窓口で「それは家庭裁判所で手続きできますよ」と教わり背中を押されました。
公的機関の強みは、経済的支援制度や行政サービスと直結している点です。
養育費がもらえなくても児童扶養手当や養育費保証制度など、行政ならではの支援策があります。
大阪市では養育費の公正証書作成費用補助や、保証会社と契約した際の補助金制度もあります。

大阪で活動している民間支援団体
公的サービスだけでなく、民間の支援団体(NPO法人など)も大阪には充実しています。
私は当初これらの存在を知らず、一人で戦おうとして失敗しました。
ある日、児童館で知り合ったシングルマザー仲間から「民間のシングルマザー支援団体に相談したら心が軽くなったよ」と教えてもらい、世界がパッと広がった思いがしました。

たとえば「シングルマザーのつながるネット まえむきIPPO」という団体は、プレシングルマザー(離婚前でこれからひとり親になる女性)も含めた交流支援を行っており、早い段階から孤立しないようサポートしてくれます。
また「シンママ大阪応援団」は大阪社会保障推進協議会が運営していて、養育費など制度面のアドバイスや行政への働きかけにも積極的です。
私も実際に応援団の相談会に参加し、「養育費の取り決めを諦めないで。あなたとお子さんの大事なお金だから」と背中を押されました。
その言葉にハッと目が覚め、「私だけじゃない、ここにも仲間がいる」と勇気が湧いてきたのを今でも覚えています。
さらに、大阪府内で活動する「NPO法人ハッピーマム」も見逃せません。
この団体は生活に不安や悩みを抱えるひとり親とその子ども達に、食材支援・相談支援・コミュニティづくりを提供しており、単に法律相談に留まらず生活全般を支えてくれる心強い存在です。

私が参加したハッピーマムの交流会では、カレーの炊き出しを食べながら先輩ママが「元夫に養育費払ってもらうよう内容証明送ったら効いたよ」と体験談を教えてくれました。
専門家の意見も大事ですが、当事者同士の生の知恵や励ましは本当に心に沁みます。
同席していたスタッフさんが「必要なら弁護士や行政にも繋ぎますからね」とフォローしてくれたのも印象的でした。
その他にも「認定NPO法人CPAO」や「NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ関西」など、多くの団体が電話相談・メール相談を受け付けています。
中には毎週水・金に無料電話相談を定期開催している団体もあります。
「NPO法人よつば」、「結婚生活カウンセリング協会」、「なないろ支援」といった団体も養育費や離婚問題の相談に応じています。

たとえば夜間や土日の面談に応じてくれたり、ラインやSNSで気軽に相談できる窓口を設けていたりします。
「同じ経験をした先輩ママに話を聞いてほしい」というとき、民間団体は心に寄り添う温かな相談相手になってくれるでしょう。
ただし、団体によっては有料の場合もあるので、利用前に公式サイト等で確認してください。
私の失敗談をひとつ告白すると、最初に勢いで連絡した団体がカウンセリング有料(1時間○円)と後から知り尻込みしてしまったことがありました…。
今思えば投資と思って利用すれば良かったのですが、そのときは経済的余裕がなく断念。
でも幸い、大阪には無料で相談できる団体も多く存在します。
ぜひ色々な団体の門を叩いてみて、自分に合ったサポートを見つけてください。
最後に、民間支援団体と行政・法律専門家はそれぞれ役割が異なります。
養育費の法的な強制力確保は弁護士や裁判所、生活やメンタル面の支えは支援団体というように、上手に併用するのがおすすめです。
私は最初、相談先を一つに絞ろうとして空回りしましたが、今では困ったときに複数の窓口へ相談することは恥ではないと実感しています。
むしろ多角的なサポートを受けてこそ、未払い問題の解決に近づけるものです。

大阪で養育費未払いに悩むあなたへ
養育費の未払いに悩む日々は、本当に心細くつらいものです。
しかし、大阪には家庭裁判所から法テラス、弁護士会、行政機関、そして多くの民間支援団体まで、あなたとお子さんを支える相談先がこれだけ揃っています。

どうかあなたも「私なんかが相談していいのかな…」と遠慮しないでください。
あなたとお子さんには幸せになる権利があります。
専門家や支援者に頼ることは決して甘えではなく、未来への前向きな一歩です。
経済的な不安、法律の難しさ、元パートナーへの怒りや悲しみ、一人で背負うには重すぎる荷物を、今こそ下ろしてみませんか?
