夜中の 広島市、アパートの電気スタンドだけがぽつんと照らすキッチンで、私は電卓を叩きながらため息をついていました。
今月も元夫からの養育費の振り込みがなく、財布には数千円だけ。
冷蔵庫の野菜室はスカスカで、心細さが胸の奥でチクチクと痛みます。
「また約束が守られなかった…どうしたらいいの？」──3年前、私も広島県でシングルマザーになった当初、同じように頭を抱えたことがありました。
薄暗い部屋で膝を抱えたあの夜の私と、今この文章を読んでいるあなたの気持ちは重なっています。
焦燥と不安：養育費未払いの現実と諦めない心
離婚して取り決めたはずの養育費が支払われない……実は、この問題は決して珍しくありません。
厚生労働省の調査によれば、養育費を離婚後も確実に受け取れているひとり親世帯はたった24.3%しかおらず、途中で支払いが止まってしまったケースも15.5%にのぼります。
つまり4人に3人は満足に受け取れていない計算です。
（調査方法：全国のひとり親世帯を対象にアンケート集計、受給継続状況から算出）
とはいえ、未払いが起きても泣き寝入りしてしまう方も多いのが実情です。
私自身、当初は「元夫が払わないなら仕方ない」と半ば諦めていました。
しかしよく考えてみてください。それで本当に良いのでしょうか？
養育費は子どもの健やかな成長のための大切なお金です。
諦めてしまえば、あなたとお子さんが我慢を強いられる生活が続くだけです。
養育費の未払いに直面したら「仕方ない…」で終わらせず、必ずどこかに相談すべきなのです。
孤独に寄り添う広島県ひとり親家庭サポートセンター
朝焼け前の広島市中区鉄砲町、私は幼い娘の手を引いて「広島県ひとり親家庭サポートセンター」の扉を押しました。
半信半疑でしたが、ポカポカと暖かい陽だまりのような対応に心がほぐれたのを覚えています。
離婚直後で何をどうして良いか分からなかった私に、担当の方は「まず落ち着いて現状を教えてくださいね」とゆっくり話を聞いてくれました。
実際のところ、ここには一次的な体験談や失敗談も数多く寄せられるそうです。
「公正証書を作っていなくて未払いになった」「調停で決めたのに払われない」など十人十色。
それでも相談員さんは一つひとつ丁寧に対応策を考えてくれます。
「家庭裁判所で取り決めたのに払われないなら、約束を守るよう通知してもらえる制度があります。一度申出してみましょう」とアドバイスを受けたのです。
※ 履行勧告は裁判所で決まった養育費支払いに対して行われる手続きで、裁判所を通さず決めた場合には使えない点に注意。
こうした具体的な制度の存在を知ると、心の重荷が少し軽くなりませんか？
センターの利用方法もシンプルです。
電話相談は無料で平日9時～17時、土日祝も10時～17時に対応しています。
私は土曜日の午後に思い切って電話しました。
予約制の面談も可能で、広島市まで来られない方には電話やオンラインでの相談も検討してもらえます。
「一人じゃない」と感じられるだけで、心にぽっと灯がともるものです。
実はこのセンター、県内全域（広島市を除く）を対象にしていますが、広島市在住の方もまず相談してみて損はありません。
「広島市の方は市の相談窓口をご案内しますね」といった形で、最適な機関を紹介してもらえるからです。
とはいえ、相談員さんたちは法律のプロではないため、解決に法的手続きが必要と判断すれば法テラスなどしかるべき機関に繋いでくれます。
焦燥感でいっぱいだった私も、一歩踏み出して相談したことで道が開けました。
あなたも決して孤独なまま抱え込まないでくださいね。
心強い味方：法テラス広島で無料法律相談
さて、養育費の未払い問題を本格的に解決するには法的なアプローチが必要になる場合もあります。
ただ、「弁護士に頼むお金なんてない…」と不安になりますよね。
それでも大丈夫、広島には法テラス広島（日本司法支援センター広島地方事務所）という心強い味方があるのです。
法テラス広島は、中区八丁堀にある公的な法律相談窓口で、一定の収入・資産要件を満たせば無料で法律相談が受けられます。
私が初めて電話したときも、緊張で声が震える私に担当者は「収入の範囲内ですね、無料相談できますよ」と優しく案内してくださいました。
平日は夜9時まで、土曜も夕方5時まで相談ダイヤルを受け付けており、仕事終わりに駆け込めるのもありがたいポイントでしょう。
予約をすれば面談や電話での法律相談が可能で、「養育費を支払わない元配偶者への対処法」や「法的手続きの流れ」について具体的なアドバイスをもらえます。
「公正証書がなくても大丈夫。調停でしっかり合意を取りましょう」と背中を押されたのです。
その際、費用が心配なら法テラスには弁護士費用の立替制度もあります。
私も着手金の立替えを利用し、分割でゆっくり返済しました。
ドキドキしながら決心しましたが、結果的に「もっと早く相談すれば良かった…！」と感じています。
弁護士が間に入ることで、相手も態度を改める場合は多いといいます。
「どうせ泣き寝入りするだろう」と思わせないためにも、プロの力を借りる意味は大きいでしょう。
「法テラス広島」への連絡先は電話0570-078374（全国共通サポートダイヤル）で、IP電話なら050-3383-5485にかけます。
受付に「広島に住んでいて養育費の相談をしたい」と伝えればスムーズですよ。
とはいえ、法テラスを利用するには収入等の条件確認が必要なので、事前にウェブサイトや電話で要件をチェックしてください。
心細い夜に：女性相談支援センター（#8778）という安心
養育費の未払いは経済的な困難だけでなく、精神的な孤独感や不安ももたらします。
私も真夜中に布団の中でぐすぐす泣きながら、「誰か助けて…」と呟いたことがありました。
そんなとき頼りになるのが、「広島県の女性相談支援センター」への電話相談です。
テレビCMなどで「#はなやな（8778）に相談を」と聞いたことはありませんか？
「#8778」に電話をかけると、最寄りの女性相談支援センターに繋がり、専門の相談員が24時間態勢で対応してくれます。
広島県ではこの窓口を「西部こども家庭センター」（広島市南区）内に設置し、365日体制で女性の悩み相談を受け付けています。
受付時間は平日8:30～20:00、土日祝も10:00～18:00と、夜間も含め比較的遅い時間まで対応してくれるのが嬉しいですね。
例えば私の友人である呉市在住のシングルマザー・Aさんも、ある夜子どもが寝静まった後に#8778へ電話しました。
最初は「養育費じゃなく生活苦の相談なんてしていいの？」と迷ったそうですが、相談員の方は親身に話を聞きながら「それは経済的DVにも繋がります。一緒に対策を考えましょう」と優しく支えてくれたそうです。
あなたが置かれた状況を話せば、必要に応じて行政の支援制度や一時的な生活施設の紹介なども提案してくれます。
私自身も#8778に電話した経験があります。
電話口から聞こえる相談員さんの穏やかな声に、張り詰めていた心がスーッと緩んでいきました。
「誰にも話せずにつらかったでしょう。大丈夫、一緒に考えましょうね」と言われた瞬間、思わず涙が溢れたのを覚えています。
相談後、センターの紹介で県の母子生活支援施設に関する情報や、各種手当の手続き案内を受け取ることができ、生活再建の一歩を踏み出せました。
「相談しても無駄」「恥ずかしい」と思う必要は一切ありません。
あなたの悩みを決して否定せず、受け止めてくれる場所がここにあります。
その他役立つ相談先：市役所の無料相談や弁護士会窓口
上記の他にも、広島県内には無料または安価で相談できる窓口がいくつかあります。
たとえば各市町の役所では定期的に法律相談会やひとり親相談を実施しています。
福山市では月に一度、市役所で弁護士による離婚・養育費相談の予約枠があり、私の知人はそれを利用して未払い養育費の対応策を教えてもらっていました。
「身近な市役所で弁護士に無料相談できるなんて！」と心強く感じたそうです。
広島県庁の県民相談室（082-223-8811）を通じて民事・家事（離婚や養育費など）に関する相談受付や、必要に応じて適切な窓口の紹介を行っています。
まず電話で事情を話せば、「それなら○○市役所の○○相談窓口がありますよ」と教えてもらえるでしょう。
また、「広島弁護士会」が運営する「法律相談センター」を利用する方法もあります。
広島弁護士会は県内5箇所に法律相談センターを設置しており、広島市中区上八丁堀にある法律相談センターひろしまでは毎日10:10～16:25に離婚や養育費の相談を受け付けています。
ただし相談は原則有料（30分5,500円程度）で予約制となります。
費用面のハードルはありますが、「どうしても専門の弁護士に直接会って相談したい」という場合の選択肢として頭に入れておくと良いでしょう。
実際に、有料相談であっても弁護士のアドバイスから有効な解決策が見つかり、結果的に未払いの養育費が支払われるようになったケースもあります。
経済的に余裕があるときや、無料相談だけでは不安なときには検討してみてもいいかもしれません。
それでもやはり、経済的に厳しいシングルマザーにとっては無料の公的サービスから順にあたっていくのが現実的でしょう。
結論：一人で抱え込まず未来へ踏み出そう
最後にお伝えしたいのは、決してあなただけがつらい状況ではないということ。
広島県内では、行政から民間まで様々な相談先が手を差し伸べています。
かつて私は、真冬の広島家庭裁判所の門前で「これで本当に解決するのかな」と不安で足がすくんだことがありました。
それでも、あの日相談窓口に飛び込んだからこそ、今の安定した生活があります。
どうか勇気を出して、然るべき機関の扉をノックしてください。
とはいえ、初めて相談するときは誰だって緊張します。
電話口で上手く話せなくても大丈夫、相談員や弁護士はプロですから、あなたの言葉にならない気持ちも汲み取って導いてくれます。
私も含め、同じ経験を乗り越えた先輩ママたちが大勢います。