夜の静かな台所で私は請求書の山とにらめっこしていました。
鹿児島市山下町の空には桜島の噴煙がぼんやりと広がり、胸の中もモヤモヤした不安でいっぱいです。
「養育費さえ支払われていたら…」と頭をよぎります。
実は元夫からの養育費が途絶え、途方に暮れてガックリ膝をついた経験があるのです。
離婚後に養育費を受け取れている母子家庭は日本ではわずか24%ほどだそうです。
鹿児島にも同じ悩みを抱える方が大勢いるでしょう。
でも、どうか一人で抱え込まないでください。

鹿児島市役所の家庭子ども相談室
「役所なんて事務的な対応しかしてくれない…」最初はそう思い込んでいました。
しかし、「鹿児島市役所の家庭子ども相談室」のドアを叩いたとき、その印象はガラリと変わったのです。
市役所本館1階には、家庭相談員や母子・父子自立支援員といった専門職員が常駐し、平日朝8時30分から夕方5時15分まで離婚や養育費の悩みに対応してくれます。
私が市役所を訪ねた際は緊張で声が震えましたが、窓口の女性相談員は「大丈夫、一緒に考えましょうね」と優しく声をかけてくれました。
その瞬間、一人で抱えていた不安がふっと和らいだ気がしました。

例えば私の場合、離婚時に公正証書を作らなかったという失敗がありました。
相談員さんには「今からでも債務名義を取りましょう」と助言され、「法務省の養育費合意書」の雛形を紹介してもらいました。
離婚時に養育費の取り決めをしないケースは珍しくなく、全国的にも取り決めなしで離婚する母親は6割近くに上ります。
恥ずかしながら私も「お金はいらないから早く別れたい」と思ってしまった一人です。
しかし、市役所で相談したことで「遅すぎることはない」と知りました。

市町村の相談員が書面作成のアドバイスや、家庭裁判所での調停手続きについても教えてくれます。
さらに心強いのは、鹿児島市には経済的な支援策も整っていることです。
例えば、公正証書作成にかかった費用の補助や、養育費の強制執行(差押え)を弁護士に依頼する場合の費用補助まで用意されています。
私がこの話を聞いたときは「そんな制度があるなんて知らなかった!」と目からウロコが落ちる思いでした。
こうした自治体独自の支援はひとり親家庭にとってまさに光明です。
鹿児島県内の他の市町村でも、霧島市など子育て支援課に同様の相談窓口があります。

一人で悩んでいた暗闇に、一筋の光が差し込むはずです。
鹿児島県弁護士会の法律相談センター
養育費が払われない怒りや不安を抱えつつも、弁護士に相談するのは尻込みしていませんか?
私も当初、「弁護士なんて高そうだし、相談したら最後お金がかかりそう…」と敷居の高さを感じていました。
それでも意を決して電話を握りしめ、「鹿児島県弁護士会の法律相談センター」に連絡してみたのです。

「鹿児島県弁護士会」では無料法律相談会を定期的に開催しており、私も女性の権利ホットラインの日に無料相談を受け、的確な法的アドバイスで胸のつかえが取れました。
もちろん通常の法律相談も利用できます。
鹿児島県弁護士会館(鹿児島市易居町2-3)では平日の昼間に常設相談枠があり、30分あたり5,500円(税込)という料金で弁護士に直接相談できます。
5,500円と聞くと高いように思えるかもしれません。
ですが、例えば月々3万円の養育費を取り戻せれば、年額にして3万円×12ヶ月=36万円になります。

実際、私が弁護士会で紹介された先生に依頼して調停を申し立てたところ、滞納分も含め相手から養育費を支払ってもらえる和解にこぎつけました。
その際の弁護士費用も、受け取れた養育費の一部から後払いする形で対応してもらえました。
とはいえ、最初の一歩として相談するだけなら費用を抑える方法も色々あります。
弁護士会に電話すれば日程や費用の相談にも乗ってもらえますから、一人で悩まずにまずはプロに相談してみましょう。

お金の悩みに寄り添う法テラス鹿児島の無料相談
「弁護士費用を払うお金なんてない…」と経済的に追い詰められている方には、法テラス(日本司法支援センター)という強い味方があります。
私も貯金が底をつきかけ、「このままじゃ弁護士を頼む余裕なんてない」と頭を抱えていましたが、「法テラス鹿児島」のおかげで救われました。
法テラス鹿児島は鹿児島市金生町に事務所があり、毎週火曜と金曜の13時~15時に法律相談を受け付けています。
内容は養育費など離婚問題から借金、相続まで幅広く、電話相談にも対応しています。
収入の少ないひとり親家庭であれば、この法テラスで無料相談が可能です。

担当の弁護士さんは優しく話を聞きながら、「このケースなら強制執行できますよ」「まず家庭裁判所で債務名義を取りましょう」と具体的なアドバイスをしてくださいました。
法テラスの心強い点は、無料相談が1案件につき3回まで受けられることです。
1回の相談時間は30分ですが、要点を整理して臨めば十分に有益な情報が得られます。
私は1回目の相談後、家に帰ってから分からなかった点をメモし、2回目の無料相談で追加の質問をすることで理解を深めました。
なお、法テラスの利用には収入や資産の一定基準がありますが、シングルマザーで経済的に苦しい場合は多くが該当すると思います。

その場合でも大丈夫。法テラスでは「代理援助」といって、弁護士費用を立て替えてくれる制度も利用できます。
私も実際、調停申立ての際にこの代理援助を利用し、弁護士費用を分割払いにしてもらいました。
まさに金銭的不安に寄り添ってくれる制度でした。
なお、夜間などは全国共通の養育費相談支援センターも活用できます。

鹿児島県で養育費の未払いで悩んでいるあなたへ
養育費の未払い問題は、確かに簡単には解決しないかもしれません。
それでも、鹿児島の空に毎日昇る太陽のように、希望の光は必ずあります。
これからは、あなた自身とお子さんの人生を守るために、ぜひ今回ご紹介した相談先をフル活用してください。
市役所で得たアドバイスを胸に、弁護士会や法テラスで専門家の力を借り、NPOや仲間の支えを感じながら、一歩一歩前進していきましょう。
過去にどんな失敗をしていても、未来は変えられます。
「もう無理だ…」と感じる夜があっても、私たちは一人じゃありません。
鹿児島の地で頑張るあなたへ、心からのエールを送ります。
