養育費のやり取りが辛いあなたへ|心を守るための交渉術とストレス対処法

養育費のやり取りが辛いあなたへ

養育費の未払い交渉は、シングルマザー・シングルファザーにとって大きな心理的ストレスを伴います。

元配偶者とのやり取り自体が苦痛だったり、金銭的な不安で夜も眠れなかったりする方も多いでしょう。

こちらでは、そんな交渉プロセスにおけるメンタルケアの方法や、ストレスを軽減するコツを紹介します。

一人で抱え込まない:誰かに話す・相談する

まず何より大事なのは、悩みを一人で抱え込まないことです。

誰にも言えずにいると、ストレスはどんどん積み重なり、うつ状態になってしまう恐れすらあります。

信頼できる友人や家族、同じシングルペアレント仲間に話を聞いてもらいましょう。

そんな元旦那ひどいね!」と共感してもらうだけでも、心は軽くなります。

最近では、シングルマザー・シングルファザー向けのオンラインコミュニティや、自治体・NPOの相談窓口も充実しています。

5ちゃんねるやYahoo!知恵袋のような匿名掲示板でも、愚痴や悩みを吐き出せば誰かがレスをくれることもあります(もちろん玉石混交ですが…)。

自分だけじゃない」と思えるだけで救われる気持ちになるものです。

実際、ある調査ではひとり親が養育費請求を諦めた理由に「精神的ストレスになるため」「連絡先がわからない」「今住んでいる自宅を知られたくない」などが上位に挙げられました。

つまり、ストレスから逃げるために泣き寝入りしている人も多いわけです。

でも、あなたはこの問題に取り組もうとしている。

それ自体が素晴らしい一歩です。

その過程でしんどくなったら、遠慮なく周りにSOSを出しましょう。話すだけでもかなり違います。

心療内科やカウンセリングも検討する

交渉が長期化し、日常生活に支障が出るほどメンタルが辛くなったら、専門家の助けも検討してください。

心療内科や精神科に行って相談したり、臨床心理士などのカウンセリングを受けたりするのは何も恥ずかしいことではありません。

睡眠導入剤など一時的に薬に頼ってでも、眠れる環境を作ることも重要です。

眠れないと判断力も鈍り、悪循環に陥ります。

また、自治体によってはひとり親向けの無料カウンセリングや法律相談を実施しているところもあります。

法テラスの無料相談を利用して弁護士に話を聞いてもらうのもよいでしょう。

プロに状況を話すと、「それならこうしましょう」と道筋が見えることがあり、不安が和らぎます。

自分を責めないこと

よくシングルマザーの方が、「私の見る目がなかったからこんな人と結婚してしまった」「子どもに苦労をかけて申し訳ない」と自分を責める話を耳にします。

しかし、あなたは悪くありません。

払うべき人が払っていない、それだけの話です。

あなたが罪悪感を抱える必要は一切ありません。

もっとこうすればよかったのかも…」と後悔するより、今できることに目を向けましょう。

過去は変えられませんが、未来は変えられます。

自分を責めると落ち込むだけでエネルギーが奪われてしまいます。

むしろ、「私頑張ってるよ」と自分を認めてあげてください。

ここまで子どもを育て、養育費問題に立ち向かっている時点で、あなたは十分立派です。

リラックス法や気分転換を取り入れる

交渉の合間合間で、意識的にリラックスする時間を持ちましょう。

深呼吸やストレッチ、軽い運動はストレスホルモンを減らすのに効果的です。

特に運動は気分転換になりますし、夜に疲れて眠りやすくなります。

趣味や好きな音楽・映画などに没頭するのも良いでしょう。

忙しくてそんな余裕ない」と思うかもしれませんが、少しでも自分の楽しみの時間を確保することは心の栄養になります。

お子さんと一緒に公園で思いっきり遊ぶのもいいですね。

笑うこと、体を動かすこと、美味しいものを食べること――シンプルですが人間の基本的なストレス解消法です。

場合によっては、一時的に問題を忘れる日を作ってもいいと思います。

今日は養育費のこと考えない!と決めて、子どもと遠出したり、実家に帰ったりしてリフレッシュするんです。

ずっと頭を悩ませていても疲れるだけです。
メリハリをつけて、「今日は休む日」と割り切ることも戦略のうちです。

専門家や第三者に任せる選択肢

ストレスを軽減する究極の方法は、プロに任せてしまうことです。

つまり、弁護士に依頼して自分は直接やり取りしないようにする方法です。

弁護士に依頼すれば、相手との交渉や書面のやり取りはすべて弁護士が代理してくれます。

あなたは報告を待つだけで良いので、精神的な負担は格段に減ります。

相手と話すと動悸がしてしまう」「もう顔も見たくない」という方は、費用はかかりますが弁護士に任せる価値は大きいです。

最近は着手金無料で成功報酬のみの法律事務所などもあります。

強制執行まで視野に入れるなら、プロの方がスムーズですしね。

また、調停にするだけでも、直接対面せずに済むので精神的には楽です。

家庭裁判所で調停委員を介して別室で話す形なので、感情的なぶつかり合いになりにくいです。

調停委員があなたの代弁をしてくれる部分もあるので、あなたは冷静に事実を伝えることだけに集中できます。

話すのが苦手」「どうしても怒ってしまいそう」という人は、最初から調停に持ち込むのも一つの手です。

申立て費用も数百円~2000円程度と安価です。
国の仕組みを利用して自分の負担を減らすのも賢いやり方でしょう。

前向きなイメージを持つ

交渉中は不安や怒りなどネガティブな感情に支配されがちですが、意識的に前向きなイメージを持つようにしてみましょう。

例えば、「きっと来月からちゃんと払ってもらえて、子どもと旅行に行けるぞ」とか、「この経験もいつか笑い話になる」といった具合に、ポジティブな未来を思い描くのです。

心理学的にも、ポジティブな自己暗示はストレス耐性を高める効果があります。

また、「私が今頑張っている姿は、子どもにも伝わっている。将来きっと子どもの力になる」と考えてみてください。

あなたが諦めずに戦っていること自体、お子さんへの大きなメッセージになります。

お子さんはあなたの背中を見ています。

苦しい中でも前向きに頑張るあなたを見て、お子さんも困難に負けない人に育っていくでしょう。

最後に、「ここで負けたら相手の思うツボ!」とゲーム感覚で捉えてみるのもありです。

自分を追い込んだ人間に負けてたまるか、くらいの気概を持つと不思議とパワーが湧いてくるものです。

私は絶対に諦めない」と鏡の前で唱えてみるのも良いでしょう。

セルフモチベートしながら、一歩一歩前進してください。