今日は当サイトでも協力していただいている養育費の問題に詳しい木村和弘弁護士に取材させていただくことになりました。
未払い養育費の請求に強い木村弁護士にインタビューを行い、養育費未払い問題への向き合い方や具体的な解決策についてお話を伺いました。
木村弁護士は依頼者にとことん寄り添い、優しく頼もしい人柄で知られる先生です。
初心者にもわかりやすく丁寧に答えていただきましたので、同じ悩みを持つ方はぜひ最後までご覧ください。


未払い養育費問題に寄り添うその姿とは
質問
まず、木村先生が養育費の未払い問題を主に取り扱っていらっしゃる理由を教えてください。
シングルマザーの方々に「諦めないでほしい」という強い思いがおありだとか。
木村弁護士の回答
私は離婚や養育費に関する案件を多く扱っていますが、その中でも養育費の未払い問題に力を入れているのは、「ひとり親の方々に絶対に泣き寝入りしてほしくない」という思いがあるからです。
離婚後、経済的に苦しい中で必死に子育てをしているシングルマザーの方々が、相手からの養育費が途絶えてしまったばかりに生活に困窮し、「もう仕方ない」と諦めてしまうが多く、そんな現状を何とか変えたいと思いました。
養育費がきちんと支払われ続けられている方は、約4分の1程度と言われています。
これは、多くのお子さんが本来受け取れるはずのお金を受け取れていないということです。
私は弁護士になってから社会問題としてこの数字を知り、強い衝撃を受けました。
養育費は「親の権利ではなく子どもの権利」です。
子どもの健やかな未来を守るためのお金ですから、本来受け取るべきものが受け取れない状況は放置できません。

質問
これまで多くの相談を受けてこられたと思いますが、養育費未払いに関する相談内容で特に多いパターンや傾向はありますか?
どんな事情で相手が支払ってくれないケースが目立つのでしょうか。
木村弁護士の回答
ご相談内容は本当に様々ですが、いくつか典型的なケースはありますね。
よくあるのは、「離婚後しばらくはちゃんと払ってくれていたのに、相手が再婚した途端に支払いが止まった」という相談です。
新しい家庭を持ったことでそちらにお金を優先してしまい、前の奥さんとの子どもへの支払いを後回しにする人がいるんです。
また、相手が転職して収入が減ったのを機に支払いを渋るケースも多いです。
「自分の生活が苦しいから養育費まで手が回らない」と勝手な理屈を言ってきたりします。
中には「会社を辞めてしまい行方が分からない」「自営業で収入が不安定を理由に最初から一度も払ってもらえていない」という相談もありますね。
また、養育費の取り決め自体をしていなかったために揉める場合もあります。
離婚の際に公正証書など作らず、「口約束」で済ませてしまった結果、相手が約束を反故にして払わないといった内容です。
ですから「取り決めをしていないけど相手に請求したい」という相談も非常に多いですね。
他にも、「相手が子どもに会わせろと言ってきて、会わせないなら払わないと脅してくる」という相談もありました。
養育費と子どもの面会交流は本来別問題なのですが、感情的なもつれからそうしたことを言い出す人もいます。

質問
ところで、木村先生の事務所には毎日多くの無料相談の問い合わせが来ているとうかがいました。
差し支えなければ、だいたい一日にどれくらいの相談が寄せられているのか教えていただけますか?
木村弁護士の回答
そうですね、日によって波はありますが、私の事務所には養育費に関する無料相談が一日あたり平均で10件ほど寄せられます。
多い日だと20件近くになることもありますよ。
お問い合わせは電話やメール、LINEで全国各地からいただきます。
これだけ毎日ご相談があるというのは、それだけ養育費の未払い問題で悩んでいる方が多いということですよね。
正直、悲しい現実ではありますが、その分「自分だけの悩みじゃないんだ」と感じて少しでも気持ちを楽にしていただければと思います。
同じような境遇の方々がたくさん相談に来られていますし、皆さん最初は不安でいっぱいですが、一歩踏み出して相談されることで「解決の糸口が見えた」とホッとされる方がほとんどです。

質問
たくさんのケースを扱ってこられた中で、特に印象に残っているエピソードはありますか?
養育費の回収に苦労したけれども無事成功した事例など、もし差し支えなければ教えてください。
いくつかありますが、そうですね…特に忘れられないのは5年分もの未払い養育費を一括回収できた案件でしょうか。
依頼者のAさんは離婚当初から月5万円の養育費を受け取る約束をしていたのに、元夫の方が離婚後1年ほどで支払いを止めてしまい、そのまま音信不通になってしまったんです。
Aさんは女手一つでお子さんを育てながらフルタイムで働いていましたが、月5万円がなくなったことで生活はかなり苦しくなり、何とかやりくりしていたものの、さすがに限界だと感じて相談に来られました。
詳しくお話を伺うと、離婚時には公正証書も作っていなかったとのことでしたので、まず私はすぐに元夫の所在調査に取りかかりました。
幸い住民票の追跡で現住所が判明し、受任通知を送ることができました。
しかし案の定といいますか、元夫は「払うお金がない」の一点張りで取り合わない感じでした。
そこで家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立てました。
調停では元夫も出席しましたが、「もう再婚して子どももいるから支払えない」という主張でした。
結局調停は不成立になり審判に移行、家庭裁判所から正式に養育費支払いの審判を勝ち取ることができました。
この審判書は立派な債務名義になります。
次に強制執行に移る段階で、元夫の勤務先を調べたところ地方公務員として働いていることが分かりました。
公務員であれば職場が変わりにくく収入も安定していますから、これは大きな前進でした。
すぐに給与差し押さえの申立てを行い、結果的に未払いだった5年分の養育費約300万円を一括で取り立てることに成功しました。
元夫は分割で払いたいと主張してきましたが、こちらは一括での差押えですから強制力があります。
最終的に退職金からまとめて支払われた形ですね。
Aさんは「正直、ここまでやってくれるとは思わなかった。本当に先生にお願いして良かった」と涙ながらに感謝してくださいました。

質問
養育費の未払いに直面した場合、まずは何から始めれば良いのでしょうか?
初めてのことで不安なシングルマザーの方も多いと思いますので、具体的な最初の一歩を教えてください。
木村弁護士の回答
まず最初にすべきことは、落ち着いて状況を確認することです。
単に相手が忘れていたり、うっかりミスという可能性もゼロではありませんので、まずは事実関係を冷静に確認してみて下さい。
相手に直接連絡できそうであれば「入金の確認できませんでしたが、何かありましたか?」と穏やか聞いてみると良いと思います。
慌てて相手に対し感情的に責め立てたりすると、状況が悪化する場合があります。
次に、養育費の未払いがある場合ですが、まずは「いつから養育費が支払われていないのか」「離婚時に公正証書や調停調書などの取り決め書は作成しているか」「相手の現住所や勤務先の情報は分かっているか」などを確認するようにして下さい。
そして今後は記録を残すことが大切です。
未払いが発生した日付や未払い額、これまでのやり取り(メールやLINE、手紙での督促の有無など)を時系列でメモしておくと、後々証拠として役立ちます。
相手は支払う意思がない、連絡が取れないという場合には、早めに専門家に相談することをおすすめします。
というのも、養育費の支払いには時効があり、放置すると法的に請求できなくなるおそれがあるからです。
養育費の場合、取り決め方によって時効期間が異なりますが、例えば公正証書を作成していたような場合でも各支払期ごとに5年で時効にかかってしまいますし、調停や審判で決めていた場合でも未払い分について10年が経過すると請求権が消滅してしまいます。

質問
弁護士の先生に依頼しなくても自分で養育費を回収することは可能なのでしょうか?
やはり費用の負担なども気になりますし、できれば自力で何とかしたいと思う方もいるかもしれません。
木村弁護士の回答
確かに費用面の不安から、「弁護士に頼らず自分だけで解決できないか」と考える方も多いと思います。
結論から言えば、自分で回収することは不可能ではありません。
私が言うのもおかしな話だとは思いますが、弁護士に依頼する前に、まずは自分で出来る事は試してみるべきだと思います。
例えば、相手が養育費を払ってくれないとなった時点で、いきなり弁護士に依頼するよりも、ご自身で「直接相手に連絡して請求」「内容証明郵便での請求」といった簡単に出来る方法もあります。
意外に思うかもしれませんが、これだけで相手がすんなり支払ってくることもあるんですよ。
また、誤解されている方もいるようですが、養育費の請求等についての法律上の手続きも、弁護士に依頼しなくてもご自身で行うことが出来ます。
手続き等も裁判所に行けば詳しく教えもらえます。
こういった事を試していただき、「どうしても無理だった」「調べてみたけど手続きが分からない」「相手に無視された」「どうしても弁護士の力が必要」といった場合には我々のような弁護士を頼ってみて下さい。
その他にも様々な事情をお持ちの方もいると思います。
相手と直接やり取りすること自体がストレスですし、調停や裁判の準備には専門的な書類作成や主張立証が必要です。
特に強制執行ともなれば法律の知識が不可欠ですし、相手の財産情報を自力で集めるのは困難です。
これら一連の手続きを全て自分だけでやるのは相当な労力と精神的負担になると思います。

質問
弁護士に依頼すると養育費の回収は必ず成功するものなのでしょうか?
先生の経験上、回収できる可能性はどの程度あるのか教えてください。
木村弁護士の回答
正直に申し上げて、弁護士に依頼したからといって100%必ず回収できると断言することはできません。
無いとは思いますが、「100%回収できます」などそういった言葉を安易に使う弁護士がいれば注意が必要だと思います。
相手に全く支払い能力が無かったり、行方不明で財産も見当たらないという場合など、どうしても回収が難しい場合も存在します。
ただし、私の経験上大半のケースでは何らかの形で回収の道筋をつけることができています。
特に相手が会社勤めで安定収入がある場合は、給与の差押えによって高い確率で回収可能です。
一度差押え命令が出れば、相手の意思に関係なく給与から養育費分を天引きできますので、確実性が高いです。
また、最近は法律の整備も進み、相手の財産情報を第三者機関から取得できるようになりました。
これにより、従来は相手の勤務先が分からず差押えできなかったケースでも、今では市役所等を通じて情報を入手し、回収に結び付けられる可能性が高まりました。
私自身、「相手の新しい勤務先がわからない」というご相談を受けた案件で、情報取得手続きを活用して勤務先を特定し、給与差押えによって回収に成功したケースがあります。
法律の後押しもあって、以前よりも確実に養育費を取り戻しやすい環境になってきていると感じます。
とはいえ、相手がどうしても居場所を隠し通そうとしたり、収入が途絶えてしまったりすると、回収には長期戦の覚悟も必要になります。
私どももあらゆる手を尽くしますが、場合によっては「回収できる見込みが立つまで時期を待つ」といった戦略を取らざるを得ないこともあります。
例えば相手が無職で貯金もゼロの状態では取り立てようがありませんので、就職するまで動向を見守り、しかるべき時に差し押さえる…というようにです。
幸い、そこまで手強い相手は少数派です。
多くは弁護士からの働きかけや法的手続きに対して観念し、支払いに応じるか、少なくとも分割ででも払おうとする意思を見せてくれます。
ポイントとして、泣き寝入りせず法的にきちんと対処すれば、高い確率で養育費は取り戻せるというのが実感です。
一人では難しくても、私たち専門家が間に入ることで道が開けるケースが大半ですので、最初から諦める必要はありません。

質問
最後になりますが、養育費の未払いに悩んでいる読者の方々に向けて、木村先生からアドバイスや心構えをお願いします。
木村弁護士の回答
まず何より「あなたは決して一人じゃない」ということを知ってください。
養育費の未払いで悩んでいるのはあなただけではありません。
先ほど申し上げたように、本当にたくさんのシングルマザーの方が同じような不安を抱えています。
ですから、どうか「私の我がままなのかな…」「贅沢なお願いなのかな…」なんて思わないでください。
養育費はあなた自身のためというより、お子さんのためのお金です。
お子さんの権利を守るために声を上げることは、決してわがままでも図々しいことでもありません。
また、「元夫に強く言えない」「揉めるのが怖い」と感じる方も多いですが、だからこそ第三者である私たち弁護士を頼ってほしいのです。
直接言いづらいことも代理人を通せばきちんと主張できますし、法律に裏付けられた正当な権利なのだという自信を持っていただけるでしょう。
泣き寝入りする必要はどこにもありません。
法律的に有効な手段がこれだけたくさんあるのですから、諦めずに一緒に戦っていきましょう。
心構えとしては、もし可能であれば早め早めに行動すること、そして証拠や記録をしっかり残しておくことですね。
未払いが発生したら、その日付や額、相手とのやり取りをメモ・保存しておく。
それだけでも後で大きな力になりますし、早期に専門家に相談すれば選べる手段も多くなります。
逆に時間が経てば経つほど取り得る手段が限られてしまう場合もあります。
「もっと早く相談すれば良かった」とおっしゃる方も多いので、悩んでいる方はぜひ勇気を出して一歩踏み出してください。
私自身、依頼者の方の負担をできるだけ減らし、一緒に解決していくことを信条としています。
相談は何度でも無料ですし、「こんなこと聞いていいのかな?」という些細な疑問でも丁寧にお答えします。

質問
ところで先生、これだけお忙しい毎日かと思いますが、お休みの日はどのように過ごされていますか?
まさか休日まで全国を飛び回って養育費の回収に奔走…なんてことは?(笑)
木村弁護士の回答
ふふ、それはさすがに無いですよ(笑)
休日はしっかり休むようにしています。
休みの日には近所の公園に行くことが多いですね。
私はベンチに座って本を読むのが何よりのリフレッシュなんです。
実はかなりの読書好きでして、ジャンルは小説から専門書まで色々読みますが、漫画なんかも読んだりしますよ。
公園でゆっくりしていると、他のご家族連れの笑い声や子ども達の元気な声が聞こえてきて、本当に平和だなぁと感じます。
子ども達の笑顔を見ると、「この子たちの未来を守る仕事をしていて良かった」と心から思えるんです。

まとめ:木村弁護士はシングルマザーの強い味方

養育費の未払い問題は決して珍しくなく、多くのシングルマザーが直面しています。
しかし「泣き寝入りせずに適切な手段を取れば、道は開ける」という木村先生の言葉通り、諦める必要はありません。
法律のプロに相談すれば、内容証明郵便の送り方から調停手続き、強制執行に至るまで、複雑な手続きを一手に引き受けてくれます。
木村弁護士は「依頼者の負担をできるだけ減らす」ことを大切にされており、無料相談もちろん、依頼者が直接元配偶者と対峙しなくて済むよう尽力してくれます。
優しく穏やかな人柄で、相談者の不安な気持ちに寄り添いながらもしっかりと法律的な主張を代弁してくれるので、「心強い味方を得られた」と感じる方が多いのも頷けます。
実際に、多くの方が木村先生のサポートによって長年諦めていた養育費を取り戻し、新たな生活の希望を見出しています。
養育費の未払いに悩んでいる方は、どうか一人で抱え込まずに専門家へ相談してみてください。
木村弁護士のように信頼できる味方と一緒に行動すれば、きっと状況は大きく前進するはずです。
あなたとお子さんの明るい未来のために、勇気を持って一歩踏み出してみましょう。
きっとその先には、取り戻した養育費とともに笑顔の日々が待っていることと思います。

木村先生の優しさと熱意が伝わってくるインタビューでした。
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